2013年01月15日
血栓止血研究室(血管診療G)紹介(2)
血栓止血研究室(血管診療グループ)紹介(2)
リバーロキサバンとダビガトランは、共通点としては適応疾患(非弁膜症性心房細動:NVAF)、分子量が小さいこと、半減期(半日)などを挙げることができますが、相違点も少なくありません。
代謝経路はダビガトランは腎臓主体(80%)ですが、リバーロキサバンは活性体の腎排泄は30数%(非活性体も含めると65%)のため、腎障害を有する症例ではリバーロキサバンを使用しやすく、肝障害を有する症例ではダビガトランを使用しやすいと考えられます(腎・肝障害ともに高度の場合はどちらも使用できませんが)。
今後は、これらの新規経口抗凝固薬の使い分けが議論されるようになっていくと思います。
ワルファリンしか使用できなかったごく最近までの時代を思いますと、治療選択肢が大きく広がりました。
他施設や他科からの紹介でも、本症例は新規経口抗凝固薬の適応があるかどうかというコンサルトも増えました。
また、紹介状を拝見しますと、新規経口抗凝固薬はあまり厳格な制限なく弾力的に処方されている印象を持っています。ただし、これらの新薬が順調に成長するためには、やはり今後の慎重な検討が必要だと思っています。
深部静脈血栓症(DVT)や肺塞栓に関する臨床各科からのコンサルトも相変わらず多いです。
いろんな要素がありますが、下肢静脈エコー検査が普及してきたため、今までよりも診断率が格段にアップしたことも大きいと思います。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:01| 血栓止血(血管診療)