金沢大学第三内科(呼吸器内科)学会便り(3)
(ATS玄関)
(路面電車から見たアルカトラズ島)
「American Thoracic Societyに参加して」(3)
発表自体は症例数も検討内容もひけを取らないものでしたが、同時にMayoクリニックから3演題、1つは症例報告でしたが、のこり2つは、IgG4関連疾患の頻度と障害臓器についてと、IgG4関連疾患は気道病変が稀ではない、という発表でした。
やはりアメリカは検討数の規模が違います。
特に昔からのデータベースのあるMayoクリニックでは、データベースから引っ張ってくるだけでこのような検討が出来てしまうのがすごくもあり、脅威でもありました。
しかしながら、日本は日本独特だと思いますが、詳細まで検討し、評価に関してはかなり細かいところまで出来ているという自負はあります。
本疾患は国際シンポジウム後Stone博士らにより疾患概念がNEJMに掲載されたこともあり、世界的にも疾患概念が認められる様になりました。
今後、さらなる発展をすべく、特に日本人らしい発展の仕方を持って世界に対抗できるような発展に協力出来るように頑張って行きたいと思った今回の学会でした。
真面目な文章ばかり書きましたが、会場はサンフランシスコです。
初日に時間があったのでWGの先生とアルカトラズ島に行くことになっていました。
学会前にその話をしていたら、医局のとある先生から、映画ザ・ロックを見てから行った方がいい、と勧められ、慌ててパソコンにザ・ロックをレンタルして機内で見てから、アルカトラズ島に向かいました。
おかげで映画で見たところも多数あり、大変面白かったです。
ここでとらわれた囚人で脱獄して帰って来れたものはいない、と言われる通りまさに孤独の島でした。
しかし、その孤独とは裏腹に、アルカトラズ島から見たサンフランシスコの風景はまた格別なものがありました。
自由な世界を海の向こうに見た囚人は限りなく羨望のまなざしで向こう岸を見ていたにすぎません。
私達は今同じようにアメリカを羨望のまなざしで見ているのでしょうか?
いや、そんなことはないはずです。
同じ島でも、日本という島から世界に向かって行かねばならない、と心に誓った瞬間でした。
今回のATSで得たもの、それはたくさんの同士と日本からどんどん外国に向かって行かねばならない、という思いでした。
今回のATS参加に対して、一週間もの間大学を留守にしてしまい、ご迷惑をおかけした多くの先生方、ならびに小学校に入学したばかりの息子の面倒を見てくれた私の家族にこの場を借りて感謝申し上げます。
<リンク>
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:09| 呼吸器内科