金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年05月05日

後天性抗第V因子インヒビター(7)予後

後天性抗第V因子インヒビター(6)治療:免疫抑制療法より続く。

後天性抗第V因子インヒビター(7)予後


<予後
> 

ウシトロンビン起因性の後天性FVインヒビターは、暴露後平均8.3日で出現消失までの期間は平均2.3ヶ月で、致死率は6%でした。

Streiff MB, Ness PM: Acquired factor V inhibitors: a needless iatrogenic complication of bovine thrombin exposure. Transfusion 42: 18-26, 2002.

一方、ウシトロンビン起因性以外の後天性FVインヒビター症例の致死率は、12-17%と報告されています。

Franchini M, Lippi G: Acquired factor V inhibitors: a systematic review. J Thromb Thrombolysis 314:449-457, 2011.

Ang AL, Kuperan P, Ng CH, et al: Acquired factor V inhibitor. A problem-based systematic review. Thromb Haemost 101:852-859, 2009.

インヒビター消失は54例/78例(69%:自然消失12例、治療後42例)で、消失までの期間は1週間〜29カ月(中央値6週間)であした。

予後は基礎疾患に関連しており、特発性インヒビター症例や薬剤起因性では良好ですが、自己免疫性疾患や悪性腫瘍を合併している症例では不良です。


(続く)後天性抗第V因子インヒビター(インデックス)血液凝固


<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:01| 出血性疾患