金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年05月07日

幼若血小板比率(IPF)とは

幼若血小板比率(IPF)とは(1)

IPFの図

図 幼若血小板比率(IPF)
シスメックス社XE-2100の場合、RETチャンネルを用いて、全血小板における未成熟血小板の割合(IPF)が測定できます。

健常人(A)、特発性血小板減少性紫斑病患者(ITP)(B)のデータを示します。

参考:幼若血小板比率(IPF)/網血小板:インデックス

基準値
0.5%から5%(標準化されていないため、施設毎に基準値を設定する必要があります)

検査の意義
骨髄から放たれたばかりの血小板はRNAが豊富で、網血小板と呼ばれます。

血小板寿命3-10日(平均約8日)のうち、最初の24-36時間は網血小板と考えられます。

網血小板は従来研究室レベルで測定されていましたが、XE IPF master(シスメックス社)により幼若血小板比率(immature platelet fraction: IPF)として自動測定可能となりました。


IPFは骨髄の血小板産生能を反映し、骨髄巨核数と相関します。

骨髄機能が正常なら血小板が増えると巨核球は減り、逆に血小板が減ると巨核球は増えるため、健常人ではIPFと血小板数は逆相関します。


(続く)幼若血小板比率(IPF)(2) 疾患/病態
 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:35| 出血性疾患