金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年05月13日

濃厚血小板製剤(PC)(1)適応

濃厚血小板製剤(PC)(1)濃厚血小板製剤の適応

濃厚血小板製剤(platelet concentrate:PC)は、血小板減少または血小板機能異常による出血予防(予防的血小板輸血)または出血治療(治療的血小板輸血)に用いられます。

厚生労働省. 「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤の使用指針」の改正について(平成24年3月一部改正). Available from: http://wwwmhlwgojp/new-info/kobetu/iyaku/kenketsugo/tekisei120319html (Accessed on 1 April 2013). 2013.

高松純樹. 血液製剤の適応と使用法 新鮮凍結血漿. 血栓止血誌. 2009;20(5):498-500.

Slichter SJ. Evidence-based platelet transfusion guidelines. Hematology Am Soc Hematol Educ Program. 2007:172-8. PubMed PMID: 18024626. Epub 2007/11/21. eng.



ただし、特発性血小板減少性紫斑病(免疫性血小板減少症;ITP)、溶血性尿毒症症候群(HUS)には予防的血小板輸血は行いません。

ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)への血小板輸血は禁忌です。

幸いヘパリン起因性血小板減少症は重篤な血小板減少や出血傾向はほとんどありません。

活動出血を伴う血栓性血小板減少性紫斑病で、血小板輸血による止血が必要な場合は、血小板輸血後速やかに血漿交換を行うか、血漿交換後に血小板輸血を行います。

なお、末期患者への延命目的での血小板輸血は適応外です。


(続く)濃厚血小板製剤(PC)(2)種類

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:08| 輸血学