金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年05月14日

濃厚血小板製剤(PC)(2)種類

濃厚血小板製剤(PC)(1)適応より続く。


濃厚血小板製剤(PC)(2)濃厚血小板製剤の種類

血小板輸血には、輸血後移植片対宿主病を防ぐため照射済み(Irradiated: Ir)の、保存前白血球除去された(leukocyte reduced: LR)濃厚血小板製剤(PC)を用います。

国内のPCは全てLR(PC-LR)であり、1単位あたりの白血球数は1×106個以下です。

医療安全の観点から、施設内照射より照射済み製剤(Ir-PC-LR)の購入が強く望まれます。

Ir-PC-LRには、1単位(7,618円:平成25年4月1日現在。以下同。)、2単位(15,236円)、5単位(38,792円)、10単位(77,270円)、15単位(115,893円)、20単位(154,523円)があります。

それぞれ基準容量は20 mL、40 mL、100 mL、200 mL、250 mL、250 mL(15単位と20単位の容量は同じ)です。

抗HLA産生に伴う血小板輸血不応への対応として、HLA適合ドナーから採取した製剤(Ir-PC-HLA-LR)があり、規格は10単位(92,893円)、15単位(139,162円)、20単位(185,250円)があります(基準容量はIr-PC-LRと同じです)。


濃厚血小板製剤の有効期限は、献血で採取された日を1日目として4日目までと、「採取4日後」でないことに注意が必要です。


たとえば、4月1日の献血で採取された濃厚血小板製剤は、4月4日24時までに投与を終了すべきです。

ちなみに、濃厚赤血球製剤は採取日を1日目として21日目まで使用できます。

なお、血小板輸血後の難治性アレルギー反応の予防として、洗浄血小板製剤が用いられることがあります。

洗浄血小板製剤の有効期限は通常洗浄日を1日目として2日目までです。


濃厚血小板製剤は、使用するまで水平振盪機で撹拌しながら室温保存します。


濃厚血小板製剤は献血者の厚意に基づく貴重な薬剤であり、有効期限も短いです。

安易な考えで不必要な濃厚血小板製剤を発注し廃棄処分に至らしめる行為は厳に慎むべきです。


(続く)濃厚血小板製剤(PC)(3)血小板数増加

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:20| 輸血学