濃厚血小板製剤(PC)(5)治療的&予防的輸血
濃厚血小板製剤(PC)(5)治療的&予防的血小板輸血
<治療的血小板輸血>
網膜、中枢神経系、肺、消化管など重要臓器の活動性出血には、血小板数5万/µL以上を保つように血小板輸血を行います。
<予防的血小板輸血>
1. 外科手術、検査、大量出血
眼・脳など中枢神経・重要臓器(「重要」の判断はしばしば主観的です)の手術、3時間以上人工心肺を使用する心大血管手術、広範な癒着剥離を要する手術、出血傾向を伴う慢性腎臓病や肝疾患を有する場合、血小板数(7〜)10万/µL以上を保つよう必要に応じ血小板輸血を行います。
血小板輸血終了15分後血小板増加を確認する必要があります。
その他の手術、人工心肺使用時、全大腸内視鏡検査、気管支鏡検査、針生検など侵襲的処置時に必要な血小板数は原則5万/µL以上です。
ただし、圧迫止血が可能な骨髄検査(生検を含む)時は通常予防的血小板輸血は不要です。
抜歯時も予防的血小板輸血は不要と思われますが、1万/µL以上を奨める意見もあります。
大量出血の場合は目安となる血小板数は無く、臨床的判断に基づき血小板輸血を行います。
2. 血液がん、化学療法、造血細胞移植、造血不全
出血グレードや病態を参考に血小板輸血の適応を考慮します。
出血に関するWHOグレード
グレード0:出血なし
グレード1:点状出血、紫斑、潜血(尿、便など)、経血増加
グレード 2:相当量の出血、ただし赤血球輸血必要量は増えない(鼻出血、肉眼的血尿、吐下血など)
グレード 3:1日1単位以上の赤血球輸血を要する出血
グレード4:生命を脅かす出血(出血性ショック、臓器出血、頭蓋内出血、心嚢内出血、肺出血など)
造血不全(再生不良性貧血、骨髄異形成症候群など)の場合、血小板数が5千/µL以上あり出血症状が皮下出血斑程度の軽微な場合、血小板輸血の繰り返しによる血小板輸血不応を回避するため、血小板輸血の適応にはなりません。
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:54| 輸血学