金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年05月22日

濃厚血小板製剤(PC)(8)注意点

濃厚血小板製剤(PC)(7)手術前の血小板数(トリガー値)より続く。


濃厚血小板製剤(PC)(8)注意点


1.    現有の厚労省ガイドラインは、化学療法後の目標血小板数は1〜2万/µLと幅のある記載がされておりわかりにくいです。実際は1万/µL以上で済むことが多いです(
濃厚血小板製剤(PC)(6)予防的輸血と血小板数)。

厚生労働省. 「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤の使用指針」の改正について(平成24年3月一部改正). Available from: http://wwwmhlwgojp/new-info/kobetu/iyaku/kenketsugo/tekisei120319html (Accessed on 1 April 2013). 2013.


2.    「血小板減少=血小板輸血必要」ではありません。

偽性血小板減少やサンプリングエラー(特に新生児)の可能性も念頭におく必要があります。


3.    化学療法や造血細胞移植、新生児血小板減少において、血小板輸血の適応判断に幼若血小板比率(IPF)測定が有用です。

最近自動計測が可能となり、積極的な活用が望まれます。


4.    血小板濃厚液10単位には、不安定な凝固因子を除いて、新鮮凍結血漿2.5単位に相当する凝固因子活性が含まれています。


5.    輸血副作用の種類・対応に関して、日本輸血・細胞治療学会よりガイドラインが発表されています(フリーアクセス)。輸血時は必携です。

日本輸血・細胞治療学会輸血療法委員会. 輸血副作用対応ガイド. Available from: http://wwwjstmctorjp/jstmct/Document/Guideline/Ref19-2pdf (Accessed on 1 April 2013). 2013.


(続く)

 

<リンク>

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:05| 輸血学