2013年05月21日
濃厚血小板製剤(PC)(7)手術前の血小板数(トリガー値)
濃厚血小板製剤(PC)(7)手術前の血小板数(トリガー値)
手術や処置の際に維持すべき血小板数(トリガー値)と方法の相談を受けることがあります。
トリガー値は、濃厚血小板製剤(PC)(6)予防的輸血と血小板数を参考に個々の病態を考慮し判断します。
血小板輸血の生体内半減期は3〜5日とされますが、実臨床では2日程度と考えた方がよいです。
たとえば、患者体重50 kg、術前血小板数2万/µL、トリガー値5万/µL、予定手術時間3時間、内視鏡的胆嚢切除術(非重要臓器)の例で考えてみたいと思います。
濃厚血小板輸血10単位輸血すれば、200÷50=4万/µL、6万まで増加が期待できます。
したがって、手術直前(通常は1時間前に輸血が終わるように)に濃厚血小板を10単位輸血すればよいです。
より慎重を期するため、血小板輸血しながら手術が実施されることもあります。
なお、可能なら術前血小板輸血終了15分後に血小板数を測定し、血小板数増加を確認します。
血小板輸血不応の可能性が否定できない場合や血小板数10万/µL以上が必要な場合は15分前の血算確認は強く望まれます。
(続く)濃厚血小板製剤(PC)(8)注意点へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:52| 輸血学