新鮮凍結血漿製剤(FFP)(1)適応
新鮮凍結血漿製剤(FFP)(1)適応
新鮮凍結血漿製剤(frozen fresh plasma: FFP)の使用目的は以下の通りです。
(1) 凝固因子、凝固阻止因子、線溶因子、血漿因子の補充による出血傾向・血栓症、血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura: TTP)の治療(治療的FFP輸血)、
(2) 観血的処置時の出血予防(予防的FFP輸血)
厚生労働省. 「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤の使用指針」の改正について(平成24年3月一部改正). Available from: http://wwwmhlwgojp/new-info/kobetu/iyaku/kenketsugo/tekisei120319html (Accessed on 1 April 2013). 2013.
高松純樹. 血液製剤の適応と使用法 新鮮凍結血漿. 血栓止血誌. 2009;20(5):498-500.
<新鮮凍結血漿製剤(FFP)の適応疾患と病態>
(単に凝固・凝固阻止・線溶・血漿因子の低下だけでは適応になりません)
1 凝固因子の補充:PT延長(30%以下または国際標準比率 [INR] 2以上)、またはAPTT延長(25%以下または基準値上限の2倍以上)、または低フィブリノゲン血症(フィブリノゲン100 mg/dL未満)
・肝障害
・L-アスパラギナーゼ投与後(凝固阻止因子も低下)
・播種性血管内凝固症候群(DIC)
・大量輸血時(希釈性凝固障害の治療)
・安全で効果的な血漿分画製剤や遺伝子組み換え製剤の無い凝固因子欠乏症
・クマリン系薬剤効果の緊急補正(ビタミンK補給により可能な1時間以内の補正では不十分で、濃縮プロトロンビン複合体製剤が使用出来ない場合)
2 凝固阻止因子、線溶因子の補充
・プロテインC・プロテインS欠乏症(ヘパリンなど抗凝固療法を併用)
・プラスミンインヒビター欠乏症(トラネキサム酸など抗線溶薬を併用)
3 血漿因子の補充
・後天性血栓性血小板減少性紫斑病(FFPを置換液とした血漿交換)
・先天性血栓性血小板減少性紫斑病(FFP単独投与)
(続く)新鮮凍結血漿製剤(FFP)(2)非適応へ
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:28| 輸血学