金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年05月28日

新鮮凍結血漿製剤(FFP)(4)種類

新鮮凍結血漿製剤(FFP)(3)凝固因子製剤より続く。


新鮮凍結血漿製剤(FFP)(4)
種類

国内の新鮮凍結血漿製剤(FFP)は全て保存前白血球除去(leukocyte reduced: LR)製剤(FFP-LR)です。

1単位あたりの白血球数は1×106個以下と少なく、しかも凍結によりほとんど破壊されます。


200 mL献血、400 mL献血由来の1単位製剤(FFP-LR-1:8,706円)、2単位製剤(FFP-LR-2:17,414円)、成分献血由来のFFP-LR-Ap(22,961円)があり、容量はそれぞれ120 mL、240 mL、450 mLです。

FFP-LR-Apは5単位製剤とみなされてきましたが、実際は4単位弱の容量しかありません。

これは2007年LR処理が導入されるまで、FFP 1単位製剤が80 mLであったことのなごりです。

FFP-LR-Apは主に血漿交換に用いられます(なお、血漿交換に1単位、2単位製剤を用いると割高になります)。


新鮮凍結血漿は、安全性担保のため採血後180日の貯留保管期間が設けられています。

有効期限は採血後180日から1年後までです。

その間−20°C以下で凍結保存されます。


FFPは、ビニール袋に入れたまま30〜37°Cの恒温槽やFFP融解装置で融解します。

直接熱湯をかけたり、電子レンジを使用されないよう注意します(「解凍して」の指示のとらえかたは様々です)。


凝固因子の失活を防ぐため、FFPは融解後3時間以内に輸注し終えます。

FFPの再凍結は行いません。


新鮮凍結血漿は献血者の厚意に基づく貴重な薬剤です。

安易な考えで不必要なFFPを発注し廃棄処分に至らしめる行為は厳に慎むべきです。

 (続く)新鮮凍結血漿製剤(FFP)(5)凝固因子活性増加

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:39| 輸血学