金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年05月29日

新鮮凍結血漿製剤(FFP)(5)凝固因子活性増加

新鮮凍結血漿製剤(FFP)(4)種類より続く。


新鮮凍結血漿製剤(FFP)(5)
凝固因子活性増加

止血に必要な凝固因子活性は20〜30%以上です。

生体内回収率を100%とすれば、FFP 1単位(120 mL)投与後の凝固因子活性増加は120 [mL]÷循環血液量[mL]で概算できます。

循環血液量は体重の4%ですので、FFP 1単位輸血すると、300÷体重[kg](%)の凝固因子活性増加が期待できます。

たとえば体重50 kg、PT 8%の患者にFFPを2単位輸血すると、PTは300÷50×2=12%増え、20%になると予想されます。


止血に必要なフィブリノゲン値は100 mg/dL以上です。

FFP 1単位(120 mL)はフィブリノゲンを約250 mg含みます(フィブリノゲン100 mg/dLから算出すればよいです)。

したがって、FFP 1単位輸血後600÷体重[kg](mg/dL)のフィブリノゲン増加が期待できます。

たとえば50 kg、フィブリノゲン76 mg/dLの患者にFFPを2単位輸血すると、フィブリノゲンは600÷50×2=24 mg/dL増え、100 mg/dLになると予想されます。

(続く) 新鮮凍結血漿製剤(FFP)(6)必要量


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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:53| 輸血学