CBT(コアカリ):息切れ
CBT(コアカリ)血栓止血領域の問題紹介と解説です。
今回は連問です。
(1/4)42歳の女性.1週間前から階段を上るときに息切れを感じるようになったため来院した.
この患者に聞くべきことを4つ選んだ時に残るのはどれか.
a 咳・痰は出ますか.
b 体重は減りましたか.
c 生の牛肉を食べましたか.
d 歯科治療を受けましたか.
e 歯を磨く時に出血しやすいですか.
【選択肢について】
a 労作時の息切れは肺疾患でもみられます。咳・痰の症状の有無は是非確認しておきたいところです。
b 労作時の息切れは消耗性疾患(悪性腫瘍など)でもありえます。体重減少があったかどうかは確認しておきたいところです。
c 社会的に知られた食中毒事件で、生の牛肉と言えば、溶血性尿毒症症候群(HUS)をすぐに想起するくらいに、有名になったかも知れません。HUSを疑った場合には血便などの消化器症状をまず確認します。しかし生の牛肉を食べたかどうか聞いても問題はないので、悩ましい選択肢です。
d 抜歯後の出血傾向があるかどうかは、診断につながることがあるため、聞いておきたいです。ただし、労作時の息切れがあるからと言って、歯科治療の有無をすぐ確認するかどうかは疑問であり悩ましい選択肢です。
e 歯を磨く時に出血するかどうかは、出血傾向の有無を判断する上で重要な情報です。ただし「階段を上るときに息切れを感じる」からと言って、歯を磨く時に出血するかどうかを確認するかどうかは悩ましいです。
【正答】
d or c or e
【感想】
不適切問題と言わざるを得ないと思います。
回答が分散して、正答率が低い問題であっただろうと推測します。
学生の皆さんは、この問題を回答できなくても臨床実習できますので、どうかご安心ください。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:44| 医師国家試験・専門医試験対策