2013年07月03日
CBT(コアカリ):DIC
CBT(コアカリ)血栓止血領域の問題紹介と解説です。
CBT(コアカリ):出血傾向より続く
(4/4)42歳の女性.1週間前から階段を上るときに息切れを感じるようになったため来院した.歯磨きの時に出血しやすい.
身長158cm,52kg.脈拍100/分,整.血圧104/58mmHg.両下肢の点状出血と口腔内出血を認める.頸部リンパ節に腫脹を認めない.肝脾を触知しない.
血液所見:赤血球222万,Hb 7.3g/dL,Ht 20.7%,白血球2,000,血小板0.7万.末梢血塗抹標本で異常細胞を多数認める.骨髄血塗抹標本でアズール顆粒が豊富な異型細胞が認められた.PT時間60%(基準80〜120),D—ダイマー22.2μg/mL(基準1以下).
この患者の出血傾向の原因はどれか.
a 凝固亢進
b 線溶低下
c 血管壁の脆弱
d 抗血小板抗体
e 血小板機能異常
【選択肢について】
a APLの症例でDダイマーの上昇が見られており、DICを合併していると判断されます。DICの本態は「基礎疾患の存在下における全身性持続性の著しい凝固活性化状態」です。
b APLに合併したDICは線溶活性化が高度であることが特徴的です(線溶亢進型DIC)。
c APLで血管壁の脆弱はみられません。
d 抗血小板抗体は、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を想起させます。
e APLでは血小板数の低下がみられますが、血小板機能異常は見られません。
【正答】
a
【感想】
できれば、線溶亢進状態を出血の原因にしてほしかったところです。
<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)へ
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
金沢大学血液内科・呼吸器内科HPへ
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログへ
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:21| 医師国家試験・専門医試験対策