2013年07月02日
CBT(コアカリ):出血傾向
CBT(コアカリ)血栓止血領域の問題紹介と解説です。
(3/4)42歳の女性.1週間前から階段を上るときに息切れを感じるようになったため来院した.歯磨きの時に出血しやすい.
身長158cm,52kg.脈拍100/分,整.血圧104/58mmHg.両下肢の点状出血と口腔内出血を認める.頸部リンパ節に腫脹を認めない.肝脾を触知しない.
血液所見:赤血球222万,Hb 7.3g/dL,Ht 20.7%,白血球2,000,血小板0.7万.末梢血塗抹標本で異常細胞を多数認める.
この患者で低下するのはどれか.
a LD
b CRP
c FDP
d D-ダイマー
e フィブリノーゲン
【選択肢について】
a 造血器悪性腫瘍(本例ではAPL)では、しばしばLDが上昇します。LDが腫瘍マーカーとなることが多いです。
b APLのみではCRPはあまり上昇しませんが、感染症の合併があればCRPは上昇します。
c APLでは、播種性血管内凝固症候群(DIC)が必発です。DICでは、FDPが上昇します。
d DICではD-ダイマーも上昇します。その他、トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)上昇、プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)上昇もDICの重要所見です。
e APLは、線溶活性化が高度なDICを合併します。この場合、フィブリノーゲンは著減します。
【正答】
e
【感想】
APLではDICが必発であることを知っていれば回答できる基本的な問題になっています。
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:07| 医師国家試験・専門医試験対策