2013年08月01日
CBT(コアカリ):血小板、PT、APTT、FDP
CBT(コアカリ)の問題紹介と解説です。
68歳の女性。大腸癌の手術を行った。末期で、肺にも転移があり、化学療法を行っている。
点状の出血斑がみられ、血液検査を行ったところ、赤血球数が約300万と減少しており、白血球や血小板も減少、PTおよびAPTT延長、AT減少、FDP上昇がみられた。
本症例にあてはまる疾患はどれか。
A 播種性血管内凝固症候群(DIC)
B von Willebrand(フォン・ヴィレブランド)病
C アレルギー性紫斑病
D 急性骨髄性白血病
E 血小板無力症
F 血栓性血小板減少性紫斑病
G 血友病
H 骨髄異形成症候群
I 再生不良性貧血
J 特発性血小板減少性紫斑病
K ビタミンK欠乏症
L 慢性骨髄性白血病
(解説)
血小板数が低下する疾患は、選択肢の中ではDIC、急性骨髄性白血病、血栓性血小板減少性紫斑病、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病です。
この中でFDPやDダイマー(血栓の分解産物を反映)が上昇するのはDICです。
PTおよびAPTT(特にPT)が延長することもありますが、PTは肝不全やビタミンK欠乏症でも延長するためDICに特異的という訳ではありません。
AT(アンチトロンビン)は、敗血症に合併したDICで最も低下しやすいです。
DICの基礎疾患は多数知られていますが、敗血症、急性白血病、白血病、動脈瘤、妊娠合併症(常位胎盤早期剥離、羊水塞栓)などは特に有名です。
なお、FDPやDダイマーは深部静脈血栓症や肺塞栓でも上昇します。
(答え)A
<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)へ
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
金沢大学血液内科・呼吸器内科HPへ
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログへ
研修医・入局者募集へ
参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:39| 医師国家試験・専門医試験対策