金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年08月02日

CBT(コアカリ):PT&APTT延長、中心静脈栄養

CBT(コアカリ)の問題紹介と解説です。


30歳の女性。1週間前に胃癌の摘出手術を行った。現在、中心静脈栄養を行っている。血小板数は正常であるが、PTおよびAPTT延長がみられた。

本症例にあてはまる疾患はどれか。


A 播種性血管内凝固症候群(DIC)
B von Willebrand(フォン・ヴィレブランド)病
C アレルギー性紫斑病
D 急性骨髄性白血病
E 血小板無力症
F 血栓性血小板減少性紫斑病
G 血友病
H 骨髄異形成症候群
I   再生不良性貧血
J  特発性血小板減少性紫斑病
K ビタミンK欠乏症
L 慢性骨髄性白血病




(解説)

上記のなかで、血小板数が正常な疾患は、von Willebrand病、アレルギー性紫斑病、血小板無力症、血友病、ビタミンK欠乏症です。

PTAPTTはそれぞれ、von Willebrand病(正常、延長)、アレルギー性紫斑病(正常、正常)、血小板無力症(正常、正常)、血友病(正常、延長)、ビタミンK欠乏症(延長、延長)となります。

ビタミンK欠乏症の典型例では、PTもAPTTも延長しますが、軽症例ではPT延長のみのこともあります(PTは半減期の短い第VII因子を反映するためです)。

 

(答え)K

 

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:54| 医師国家試験・専門医試験対策