金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年08月04日

典型的な抗リン脂質抗体症候群(APS)と検査

平成25年度血液内科学系統講義試験<細胞移植学(血液内科)> 平成25年7月23日


典型的な抗リン脂質抗体症候群(APS)に関する記載内容として、正しいものはどれか。1つ選べ。

a.    抗カルジオリピン抗体は、β2GPI依存性の方が臨床的意義が大きい。
b.    動脈血栓症では心筋梗塞が最も多い。
c.    抗核抗体が陰性であればAPSを否定できる。
d.    静脈血栓症では脳静脈洞血栓症が最も多い。
e.    APS患者血漿:コントロール血漿=1:4の混合血漿で、凝固時間の延長が是正される。


(解説)

・抗カルジオリピン-β2GPI複合体の方が、カルジオリピン抗体よりも血栓傾向と関連が深いです。

動脈血栓症では脳梗塞が最も多いです。心筋梗塞は少いです

抗核抗体が陰性のAPSもあります。

静脈血栓症では、深部静脈血栓症が最も多いです。

APS患者血漿:コントロール血漿=1:4の混合血漿で、凝固時間の延長が是正されません。

 

(解答)a

 

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:09| 医師国家試験・専門医試験対策