金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年08月07日

血栓止血の臨床:ワルファリン、PT-INRほか

平成25年度血液内科学系統講義試験<細胞移植学(血液内科)> 

血栓止血関連疾患の検査・治療に関する記載として正しいのはどれか。1つ選べ。

a.    老人性紫斑病に対しては、ビタミンK内服が有効である。
b.    深部静脈血栓症(DVT)の再発予防としては、アスピリン内服が有効である。
c.    健常人のPT-INRは、1.5程度である。
d.    ワルファリンを内服すると血中アンチトロンビン活性が低下する。
e.    第VIII因子インヒビターの出血に対しては、遺伝子組換え活性型第VII因子製剤が有効である。



(解説)

老人性紫斑病は、全ての血液凝固検査が正常です。病気ではなく、治療は必要ありません。

深部静脈血栓症(DVT)は、血流の遅い環境下における血栓です。血栓形成の主病態は血小板ではなく、凝固活性化です。アスピリンは抗血小板療法です。DVTではワルファリンによる抗凝固療法を行います。

健常人のPT-INRは、もちろん1.0です。

ワルファリンを内服しますと、凝固阻止因子であるアンチトロンビン、プロテインC、プロテインSのうち、ビタミンK依存性であるプロテインC、プロテインSが低下しますが、アンチトロンビンは変化しません。

第VIII因子インヒビター(参考:後天性血友病)の出血に対しては、遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(ノボセブン)が有効です。


(解答)e

 

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:36| 医師国家試験・専門医試験対策