血液内科学系統講義試験:白血病など
平成25年度血液内科学系統講義試験<細胞移植学(血液内科)>
急性白血病に関する記述で正しいのはどれか。
(1) 成人では骨髄性よりリンパ性の方が多い。
(2) WHO分類では芽球比率が20%以上で急性白血病と診断する。
(3) 急性骨髄性白血病であってもペルオキシダーゼ染色が陽性にならない病型がある。
(4) 化学療法は同じレジメン(治療内容)を6コース以上繰り返す必要がある。
(5) Core binding factor (CBF) 白血病は通常予後不良である。
a. (1) (2) b. (2) (3) c. (3) (4) d. (4) (5) e. (1) (5)
(解答)b
染色体転座に対応する遺伝子異常で正しい組み合わせを選べ。
(1) AML1/MTG8(ETO) − t(9;22)
(2) PML/RARα − t(8;21)
(3) CBFβ/MYH11 − inv(16)
(4) MLL/AF9 − t(9;11)
(5) M-bcr/abl − t(15;17)
a. (1) (2) b. (2) (3) c. (3) (4) d. (4) (5) e. (1) (5)
(解答)c
急性白血病の治療に用いられる抗がん剤とその代表的な副作用の組み合わせで誤っているのはどれか。
(1) ダウノマイシン − 心機能障害
(2) シタラビン − 末梢神経障害
(3) ビンクリスチン − 下痢
(4) メトトレキサート − 口内炎
(5) L-アスパラギナーゼ − 膵炎
a. (1) (2) b. (2) (3) c. (3) (4) d. (4) (5) e. (1) (5)
(解答)b
疾患名と検査所見の組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。
a. 急性単球性白血病 − 血中リゾチーム高値
b. 慢性骨髄性白血病 − 末梢血中の幼若好中球
c. 真性多血症 − エリスロポエチン高値
d. 骨髄線維症 − tear drop cell(涙滴赤血球)
e. 多発性骨髄腫 − β2‐マイクログロブリン高値
(解答)c
病態に関する記載で誤っているのはどれか。1つ選べ。
a. 慢性骨髄性白血病の慢性期では分化能を保持したまま白血病細胞が増殖する
b. 骨髄増殖性腫瘍ではチロシンキナーゼ遺伝子変異によるその恒常的活性化が発症に関与している.
c. 本態性血小板血症のほとんどの例でJak2遺伝子変異が検出される.
d. 原発性骨髄線維症における骨髄の線維化は,巨核球などから産生されるTGF-βが線維芽細胞に作用して生ずる反応性変化である.
e. 多発性骨髄腫の一部では、IgH遺伝子の染色体転座によるがん関連遺伝子の活性化が発症にかかわっている。
(解答)c
<リンク>
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
金沢大学血液内科・呼吸器内科HPへ
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログへ
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:25| 医師国家試験・専門医試験対策