2013年09月09日
血友病と偽性動脈瘤
論文紹介です。
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「血友病における偽性動脈瘤」
著者名:Rodriguez-Merchan EC.
雑誌名:Blood Coagul Fibrinoysis 24: 461-464, 2013.
<論文の要旨>
血友病において、偽性動脈瘤を結果的にきたすような出血は極めてまれです。
ただし偽性動脈瘤は、患者が動脈損傷の既往があれば一度は考慮すべき病態です。
偽性動脈瘤は外傷があれば起こしえますが、経動脈カテーテル処置、鈍的外傷、貫通性外傷も含まれます。
診断は、ドップラーエコー検査、アンジオCT検査、動脈造影などで行われます。
治療は、以前は手術が標準治療でしたが、現在はより侵襲度の低いステント、超音波破砕、エコーガイド下トロンビン注入も行われます。
血友病の偽性動脈瘤は14例報告があり、そのうち9例は筋骨格系(手4例、膝4例、足首1例)であり、5例は筋骨格系以外でした。
血管内治療は侵襲度の低い治療です。
もし、動脈塞栓術が失敗した場合には、外科的に結紮術を行います(末梢血管へのバイパスは行うことも行わないこともあります)。
いずれの治療であっても、凝固因子濃縮製剤とトラネキサム酸による適切な止血管理が重要です。
活性型プロトロンビン複合体製剤や遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa)があるために、高力価インヒビター保有症例に対しても観血的治療が可能になりました。
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:06| 出血性疾患