2013年09月20日
血友病Aと血友病Bの比較:関節症、出血、予防
論文紹介です。
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「血友病Aと血友病Bの比較:関節症、出血の重症度、予防の観点から」
著者名:Escobar M, et al.
雑誌名:J Thromb Haemost 11: 1449-1453, 2013.
<論文の要旨>
血友病A(HA)と血友病B(HB)は伴性劣性の遺伝性疾患です。
両者の臨床症状の区別は通常できませんが、HAの方が出血の重症度が高く、出血回数も多いと考えられています。
ただし、この点はなお議論の余地があります。
また、関節症に関してもHAの方がHBよりも障害が強いです。
血友病患者における出血の重症度を規定する因子を推測することは困難ですが、最近の検討では、他の凝固関連蛋白である組織因子経路インヒビター(TFPI)、凝固因子遺伝子の多型、凝固亢進状態の原因となる遺伝子異常などとの関連が指摘されています。
多くの臨床試験の結果より、凝固因子製剤の予防投与の有用性が指摘されています。
しかし、これらの臨床試験はHBではなくHAにおいて行われていることに注意すべきです。
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:21| 出血性疾患