血液内科学試験:血小板数低下、ダビガトラン
平成25年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学
平成25年9月10日(火)試験時間14:00〜15:00(60分間)
正答を順次アップしてまいります。
血小板数低下をきたす疾患に関する記載として正しいものはどれか。1つ選べ。
a. HELLP症候群の3徴候は,溶血、腎不全、血小板数低下である。
b. 挙児を希望する抗リン脂質抗体症候群(APS)の女性患者に対しては、アスピリンとワルファリンの併用が有効である。
c. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)においては、血小板分布幅(platelet distribution width:PDW)が小さくなる。
d. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)ではADAMTS 13活性が上昇する。
e. Upshaw-Schulman症候群では、新鮮凍結血漿の定期輸注が有効である。
(解説)
a. HELLP症候群の3徴候は,溶血、肝酵素上昇、血小板数低下です。
b. 挙児を希望する抗リン脂質抗体症候群(APS)の女性患者に対しては、アスピリンとヘパリンの併用が有効です。ただし、ヘパリンは全例で使用する訳ではありません。
c. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)においては、血小板分布幅(platelet distribution width:PDW)や平均血小板容積(mean platelet volume:MPV)が大きくなります。
d. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の典型例では、ADAMTS 13に対する自己抗体が出現して、ADAMTS 13活性が低下します。
e. Upshaw-Schulman症候群では、新鮮凍結血漿の定期輸注が有効です。
(正答)e
血栓止血の臨床に関する記載として正しいのはどれか。1つ選べ。
a. ビタミンKを内服すると、出血時間が短縮する。
b. ダビガトラン(プラザキサ)を内服すると、血中フィブリノゲンが上昇する。
c. 脳静脈洞血栓症の抗血栓療法としては、アスピリンが第一選択である。
d. ワルファリンを内服すると、血中プロテインC活性が低下する。
e. 心原性脳塞栓予防を目的とした抗血栓療法としては、アスピリンが第一選択である。
(解説)
a. ビタミンKを内服しても、出血時間には影響を与えません。
b. ダビガトラン(プラザキサ)を内服しても、血中フィブリノゲンは変化しません。
c. 脳静脈洞血栓症の抗血栓療法としては、慢性期にはワルファリンが第一選択です。
d. ワルファリンを内服すると、血中プロテインC活性が低下します(参考:ビタミンK依存性蛋白)。
e. 心原性脳塞栓予防を目的とした抗血栓療法としては、ワルファリンや新規経口抗凝固薬が第一選択です。
(正答)d
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:59| 医師国家試験・専門医試験対策