セカンドオピニオン外来(2)申し込み、受診、診療
セカンドオピニオン外来(1)受診の理由より続く。
セカンドオピニオン外来の風景(2)by 中尾眞二
患者さんが外来に来るまで
セカンドオピニオンの申込みがあると地域連携室からメールが届く。
申込書に書かれている患者さんの番号に電話して日程を調整する。
これが実は簡単ではない。
最近では連絡先として携帯電話番号を記載するケースが多いので以前よりは連絡が取りやすくなったが、かつては自分が電話できる時間帯に自宅に電話してもなかなか通じないため、申し込みから連絡が取れるまでに3-4日以上かかることがざらにあった。
特に自分が学会や研究会で出張しているときは連絡の時間を作るのが大変である。
かといって、秘書さんや医事課の事務方に調整を頼めるかというと、ある程度病状を聞いたうえで実際にセカンドオピニオン外来を実施するかどうかを判断しなければならないため、これも難しい。
私の場合、遠方の患者さんに対しては電話でおおよその病状を聞いたのち、金沢まで来るほどのことがない相談に対しては電話相談で済ませるようにしている。
また、セカンドオピニオン希望であっても、直接話をしてみると病状判断のために種々の検査が必要なことがあることがある。
その場合には一般外来に切り替えることになる。
結果的に、セカンドオピニオン外来の申し込みがあったうち、実際にその特殊外来を実施するのは全体の70%程度である。
診療の実際
セカンドオピニオン外来用の紹介状は診療前にファックスや郵送で届られる場合と、当日患者さんが持参する場合とがある。
後者の場合は、診察開始前の20分ほどで紹介状を読み、その間に自分なりの方針を決定することになる。
患者さんに自分の意見を伝える時間は約30分、患者さんからの質問に答える時間が30分で計1時間ほどやり取りをした後、話した内容を紙にまとめる。
私の場合入力の作業が遅いのでここにどうしても30ほどかかるため、全体としては90分以上かかることが多い。
患者さんやご家族によっては、話をまとめている間にさらに質問が生じるので、患者さんに文書を手渡し、紹介医への返書を印刷して全てが終了する頃には約2時間が経過している。
2006年6月から2013年11月までの約7年間で私のセカンドオピニオン外来を受診した患者数は72人、このうち移植に関する相談は22件、残り50件は再生不良性貧血、MDS、赤芽球癆などの骨髄不全の診断・治療に関する相談であった。
前者はほとんどすべてが北陸三県から紹介であるのに対して、後者のほとんどは東京、愛知、大阪などの北陸三県外からの紹介である。
(続く)セカンドオピニオン外来(3)骨髄不全へ
<リンク>:臨床に直結する血栓止血学
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:01| その他