金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年02月02日

金沢大学第三内科:血液・移植グループ(6)

金沢大学第三内科:血液・移植グループ(5)より続く。

「血液・移植グループ」(6)  by 山崎宏人

5. 研究

【齊藤千鶴】

骨髄不全の発症メカニズムに関わる病態解析を行っています。

免疫学的攻撃が関与した骨髄不全においてSLIT1という遺伝子の変異を持つ症例があることを認め、この遺伝子が造血細胞の増殖抑制にも関わっていることを確認し、骨髄不全との関係をまとめているところです。


【丸山裕之】

再生不良性貧血患者(AA)の一部では、片側のHLAクラスIアレルを欠失した白血球が検出されますが、これは造血幹細胞の提示する自己抗原を認識して攻撃するCTLからの免疫逃避の証拠と考えられます。

当院の検討では、診断時のAA患者の約20%で上記血球が陽性となり、陽性患者では陰性患者と比べATG+CsA療法の奏効率が高い傾向があることがわかりました。

より症例数を増やして検討を進める予定です。

また、上記片側HLAクラスIアレル欠失血球陽性例の一部では、欠失HLAアレルが抑制性KIR(NK細胞免疫グロブリン用受容体)のリガンドであることがわかりました。

本来、このようなmissing self細胞ではNK細胞活性化によりkillingを受けると考えられますが、AAでは上記血球が恒常的に存在していることから、何らかのNK細胞免疫寛容機構が存在する可能性を考え、検討を行っております。


【材木義隆】

現在の研究内容です。

1.    マルチプレックス定量PCR法による6pUPDの検出

2.    再生不良性貧血患者における免疫抑制療法の奏効性を予測するマーカーの同定→骨髄単核球のNr4a

3.    ABO副不適合造血細胞移植後のABO抗体産生と補体の活性化

4.    抗HLAモノクローナル抗体の作成

(続く)


<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:51| 血液内科