金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年04月02日

金沢大学呼吸器グループ紹介(4)気道疾患グループ

金沢大学呼吸器グループ紹介(3)間質性肺炎グループより続く。

呼吸器グループ紹介(4)
気道疾患グループ

慢性咳嗽、気道疾患に関する基礎的・臨床的研究を継続しています。

咳嗽の基礎的研究と臨床:

岡崎先生がモルモットを用いた実験を精力的に行っています.気道収縮により気道内のプロスタグランジンなどが増加していることを学会や重要な研究会ですでに報告しており,現在は,これらのメディエーターが気道収縮による咳嗽反応に影響している可能性について更に詳細な検討を続けています.

岡崎先生の研究よって,咳喘息の病態解明に一歩近づけるかも知れません.

また,昨年,メサコリン気道過敏性試験を応用したメサコリン誘発咳嗽試験が咳喘息の診断に非常に有用であることを報告しましたが,現在の検査方法は測定手技が難しく,日常的に様々な医療機関において利用できる検査法とは言えません.

メサコリンによる気道収縮の程度を呼吸抵抗によって評価し,連続的にメサコリンを吸入させる方法(アストグラフ法)が利用できれば,より簡便な検査方法として確立できると考えられ,現在検討中です.


気道疾患に対する臨床研究:

クラリスロマイシンの少量長期投与にもかかわらず、急性増悪を繰り返すDPB症例に対するアジスロマイシン(AZM)の少量長期投与の有効性を検討する研究を継続しております.

エントリー症例数はまだまだ少ないですが,引き続き研究を続けていく所存です.『鼻炎合併喘息患者におけるQOLに関する観察研究』,『関西・北陸地区2府7県喘息患者実態追跡調査』,『黄砂中の化学物質とアレルギー症に関する研究』などを他大学や本学他学科と連携して行っており,順調に進んでおります.

今後の課題は,COPDについて新たな基礎的・臨床研究を行っていくことです。

現在ご報告できるものとしては従来の研究・活動内容ですが、今後新たな展開を目指し各員が一層努力していきたいと思っていますので皆様にもご指導ご鞭撻をお願いいたします。

 


最後になりますが、ご存知のように呼吸器内科医は非常に不足しています。

北陸3県は医師の絶対数としては少なくないと思いますが、呼吸器専門医の数は少なく富山・石川・福井のみならず全国の病院から「呼吸器内科医を派遣してほしい」という要望をお断り続けている現状でございます。

皆様の病院で呼吸器内科に興味がある、話を聞いてみたいという研修医がいらっしゃいましたら是非ご一報いただきたいと存じます。

 
(続く)金沢大学呼吸器グループ紹介:インデックス

 
 
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:22| 呼吸器内科