金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年06月06日

血友病検査:CBT(コアカリ)

CBT(コアカリ)の問題紹介と解説です。受験生の記憶による再生問題ですので、実際の問題とは違っている可能性があります。


血友病の凝固能検査結果について正しいのはどれか。

検査

a 1
b 2
c 3
d 4
e 5


(解説)

出血性疾患と基本的な検査の関係を問う良問です。

・    血友病では出血時間は正常です。

・    血友病ではAPTTが延長します。

・    血友病ではPTは正常です。


(正解)
c


(備考)

<出血時間の延長する病態>

1.    血小板数の低下。
2.    血小板機能の低下。
3.    血管壁の脆弱性がある場合。

(疾患/病態)

特に2.のスクリーニング検査としての意義が大きいです。出血時間が延長する代表的な疾患としては、血小板無力症、von Willebrand病、Bernard-Soulier症候群、尿毒症、非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)内服、抗血小板薬内服時など。

(備考)血友病は出血性疾患であるが、上記3項目のいずれにも相当しないために、出血時間は正常です。


<PTの延長する病態>

VII、X、V、II(プロトロンビン)、I(フィブリノゲン)のいずれか一つ以上の凝固因子活性が低下している場合に、PTが延長します。


(疾患/病態)

ワルファリン内服中、ビタミンK欠乏症、肝不全(肝硬変、劇症肝炎、慢性肝炎など)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、凝固第VII・X・V・II・I因子の欠損症またはこれらの凝固因子に対するインヒビター、低栄養状態などです。

 

<APTTの延長する病態>

XII、XI、IX、VIII、X、V、II(プロトロンビン)、I(フィブリノゲン)のいずれか一つ以上の凝固因子活性が低下している場合に、APTTが延長します。

(疾患/病態)

血友病Aまたは第VIII因子インヒビター、血友病Bまたは第IX因子インヒビター
、von Willebrand病、先天性第XII、XI因欠損症(または、これらの凝固因子に対するインヒビター)、

凝固第X・V・II・I因子の欠損症またはこれらの凝固因子に対するインヒビター、ループスアンチコアグラント、ヘパリン投与時、ワルファリン内服中またはビタミンK欠乏症(ただしPTの方が延長しやすい)で延長します。




<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:49| 医師国家試験・専門医試験対策