金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年10月06日

成人ITP患者における20年間死亡率

論文紹介です。

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成人ITP患者における20年間死亡率

著者名:Frederiksen H, et al.
雑誌名:Br J Haematol 166: 260-267, 2014.

<論文の要旨>

免疫性血小板減少症(ITP)患者では、一般人と比較して死亡率が1.3〜2.2倍高まると報告されています。

しかし、長期間の死亡率や死因別死亡率についてのデータはあまりない。


著者らは、新規に診断された成人ITP患者について、最長37年間まで追跡して、5年、10年、20年の死亡率を検討したところ、それぞれ22%、34%、49%でした。

この死亡率は一般人と比較して持続的高く、補正HRは1.5でした。


死因別の補正HRについては、心血管疾患、感染症、出血、造血系悪性腫瘍につして、それぞれ1.5、2.4、6.2、5.7でっした。


一方、固形癌や他の原因による死亡率はITPと一般人の間に差異はみらませんでした。


以上、ITP患者は一般人と比較して死亡率は高く、その原因疾患として、心血管管疾患、感染症、出血、造血器悪性腫瘍が挙げられました。


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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:36| 出血性疾患