富山労災病院便り(4)アスベスト疾患センター
富山労災病院便り(3)二次救急指定病院より続く。
富山労災病院便り(4)
この間、労働省と厚生省が統合したり、国の政治方針が揺らいで、国立病院系医療機関(厚生省)と当院(労働省)の合併問題も一時浮上したことから、労災病院の独自性を打ち出すため、平成16年から、13分野の労災疾病(内容としては職業関連疾病、例えば、じん肺、石綿関連疾患、腰痛、メンタルヘルスなどを含む)の研究を労災病院群で開始しました。
職業性呼吸器疾患として当院を含む4病院が選ばれ、私も全国4人の分担研究者の一人に任命され、研究活動を開始しました。
ところが、機をほぼ同じくして翌年平成17年夏に、例の神戸の尼崎の企業クボタの事案が明らかとなり、アスベストショックが全国を吹き荒れました。
それをきっかけに、国全体が、きわめて速いテンポで対策を立て、実行しましたが、その一つに、国民の不安に対処することを目的に、労災病院のうち対応能力のある当院を含む23病院ににアスベスト疾患センター設立を指示しました。
もちろん北陸三県では当院のみです。
私がセンター長となり、後述のとおり活発に活動しています。
また当アスベスト疾患センターの活動が認められ、がん対策基本法に基づく地域がん連携拠点病院に初回から指定され、現在も更新されています。
当院は前述のごとく、いくつかの紆余曲折がありましたが、病院を取り巻く体制が安定し、かつ収支も一時より改善したことから、設立56年目にして、病院全体が、70〜80億円の予算で、正式に、現在と同敷地で新規建て替えが決定され、現在すでに工事が始まっています。
富山県内では初めての全館免震構造です。
平成28年秋にグランドオープンの予定です。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:15| その他