2015年01月02日
妊娠することのITP経過への影響:摘脾術
論文紹介です。
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「妊娠することののITP経過への影響(女性82人の妊娠118回:後方視的検討)」
著者名:Loustau V, et al.
雑誌名:Br J Haematol 166: 929-935, 2014.
<論文の要旨>
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に罹患した女性において、妊娠が疾患にどのような影響を与えるかあまり知られていません。
著者らは、ITPに罹患した女性82人の妊娠118回に関して、後方視的検討を行いました。
妊娠初期においては、35.6%の妊娠で血小板数は10万/μL未満でした。
妊娠期間中の血小板最低値の中央値は6.6万/μL(4.2〜11.7万/μL:25〜75 percentile)であり、26の妊娠(22%)では血小板数が3万/μL未満でした。
49%の妊娠において血小板数の明らかな低下がみられ、少なくとも一過性に出産時の治療を必要としました。
出産時の血小板数の中央値は11.0万/μL(7.7〜15.5万)でした。
妊娠前と比較して、出産後3ヶ月では、ITPが悪化したのはわずか11%でした。
妊娠後にITPが悪化することの危険因子は摘脾術の既往でした(53.9%vs. 10.3%, P<0.001)。
妊娠の8.3%では治療を要する新生児血小板減少がみられました(とくに母親が摘脾術の既往のある場合)。
以上、妊娠に伴うITPの悪化は許容範囲内と考えられました。
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:44| 出血性疾患