一勤務医として医局への貢献を考えてみる(2)血液内科手技
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。
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「一勤務医として医局への貢献を考えてみる」(2)血液内科の手技
近年内科医は、自らの手で針を刺す手技を敬遠する向きがありますが、私は、内科医は患者に苦痛を与えないためにも、穿刺の手技は究極に上達することが極めて重要なことだと思っています。
中心静脈カテーテルの留置は出血などのリスクが高く、医療事故の報道も散見されることから、麻酔科に依頼されている病院が多いのではないかと思います。
血液内科にとって、化学療法や造血幹細胞移植を行うためには中心静脈の留置は必要です。
誰かがやらなければなりません。
私は富山県中に着任したとき、それまでは麻酔科に依頼されることが多かった中心静脈カテーテルの留置を、麻酔科に依頼するにはあまりにも多くの症例がいるため、基本的には全例自科で行うことにしました。
当科では、内頚静脈と鎖骨下静脈からの中心静脈カテーテルの留置は全例手術室で、それにどれだけ忙しいときでも必ず血液内科のスタッフ2名以上で行うことにしています。
超音波装置と放射線透視を用いて、複数人で手順と安全を確認し、そしてお互いにスキルを高め合うようにするのです。
初期研修医にも、その他の穿刺の手技で段階的に難易度を上げ一定の技術を習得出来ていれば中心静脈の穿刺を許可しています。
私がうちのスタッフに感謝していることは、皆この趣旨をよく理解し、前述の原則を徹底してくれていることです。
初心者への指導もたいへん上手くなっています。
今後も事故のないように細心の注意を払い、中心静脈の穿刺を含めてさまざまな手技の技量を磨き、研修医に指導を行っていきたいと思います。
そのことが研修医の間で評判となり、一人でも多くの研修医が回ってきてくれて、血液内科の魅力を伝えることができれば医局への貢献につながるのではないかと思います。
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:58| その他