金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年05月06日

出血性疾患の種類と治療(3)血小板機能の低下

<出血性疾患の種類と治療>(3) 血小板機能の低下

出血性疾患の種類と治療:インデックス

血小板無力症やBernard-Soulier症候群など、先天性に出血性素因を有している場合の対応は、致命的なあるいは致命的になる懸念のある出血時には血小板輸血で対応することになります。

ただし、前述のように血小板輸血を繰り返すことで、本当に必要となった際の血小板輸血の効果を減弱させるため、安易な血小板輸血は控えるべきです。


von Willebrand病では、出血時や観血的処置時には、von Willebrand因子含有の第VIII因子濃縮製剤で対応します。

重症でなければDDAVPも有効ですが、本薬の作用機序は血管内皮からvon Willebrand因子を放出させるため、繰り返し投与に伴い効果が減弱することに注意します。 

アスピリン内服時は、血小板機能低下に伴う出血症状をきたす場合がありますが、必要があってアスピリンを内服(例えば抗血小板療法として内服)しているため、軽度の出血症状であれば継続することが多いです。

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:09| 出血性疾患