血栓傾向:CBT
CBT(コアカリ)の復元問題と解説です。
血栓傾向になりにくいのはどれか.
a 長期臥床
b 肝硬変
c 多発骨折
d うっ血性心不全
e ピルの常用
(問題傾向)
血栓傾向をきたす疾患、病態には先天性と後天性がありますが、この問題では後天性に関して質問しています。
(解説)
a:長期臥床状態では下肢の筋肉ポンプが十分に作動せずに、下肢の血流状態が不良となります。そのために、深部静脈血栓症(DVT)をきたしやすくなります。
b:肝硬変においては、血小板数および凝固因子が低下するために、易出血状態となります。
PTやAPTT(とくにPT)は延長します。
c:重度外傷,特に,多発外傷,意識障害の遷延する頭部外傷,運動麻痺を伴う脊椎骨折や脊髄損傷,重症骨盤骨折,多発性または複雑な下肢骨折は,静脈血栓塞栓症の高リスク群です(肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドラインより)。
安静臥床状態になることや、組織因子が血中に流入することが原因と考えられます。
d:うっ血性心不全では静脈血流不全状態となり、血栓傾向となります。
e:経口避妊薬ピルを内服しますと、凝固阻止因子であるプロテインSが低下して血栓傾向となります。
(確認事項)
血栓性素因(代表的な疾患・病態)
<先天性>
・ 先天性アンチトロンビン欠損症
・ 先天性プロテインC欠損症
・ 先天性プロテインS欠損症 など
<後天性>
・ 脱水、多血症
・ 肥満
・ 妊娠
・ 下肢骨折・外傷、手術
・ 下肢麻痺、長期臥床、ロングフライト
・ 悪性腫瘍
・ 心不全、ネフローゼ症候群
・ 経口避妊薬
・ 抗リン脂質抗体症候群(APS)
・ 薬剤性:トラネキサム酸(トランサミン)など
(正答)b
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