金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年08月11日

血友病治療と半減期の長い第VIII&IX因子製剤

論文紹介です。

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血友病治療における半減期の長い第VIII因子製剤と第IX因子製剤の意義

著者名:Mahdi AJ, et al.
雑誌名:Br J Haematol 169: 768-776, 2015.


<論文の要旨>

先天性血友病は、第VIIIまたは第IX因子製剤よる、頻回の輸注をしばしば必要とします。

効果的な輸注計画を確立するためには、頻回の輸注は不可欠でした。

これらの問題を解決するために、ポリエチレングリコール、Fc-neonatal IgG1、アルブミン融合製剤といった3つの主要な技術開発が行われ、各種の臨床開発段階にあります。 


これまでの報告によると、上記の新しく開発された第VIII因子および第IX因子製剤の半減期は、標準的な遺伝子組換え製剤に比べて、それぞれ約1.5倍、5倍と延長しています。


これらの有効性と安全性に関する臨床研究の結果が、論文として発表され始めています。

ただし、これらの新しい製剤のモニタリング法と最適使用法は、まだ不明です。


血友病Bでは、第IX因子製剤を毎週1回による治療は、患者の予防治療レジメになるものと考えられます。

血友病Aでは、半減期の長い第VIII因子製剤であっても、毎週1回のみではほとんどの場合は十分な予防治療にはなりませんが、輸注頻度を減らすことが可能です。


現在進行中の臨床試験や実臨床経験の蓄積によって、これらの製剤の有用かつ費用対効果の良い投与法が考案されるようになるでしょう。

しかし、投与回数が少なくなって便利ではあっても、本来の治療目標すなわち出血や関節症を阻止するという目標が忘れられてはいけません。



<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11| 出血性疾患