金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年08月12日

血友病Aキャリアにおける出血症状

論文紹介です。

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血友病Aキャリアにおける出血表現型の横断的研究

著者名:Paroskie A, et al.
雑誌名:Br J Haematol 170: 223-228, 2015.


<論文の要旨>

血友病Aキャリヤーは、通常の止血を示すと歴史的には考えられてきました。

しかし、最近の報告では、第VIII因子活性(FVIII)が正常であるにもかかわらず、血友病Aキャリヤーは出血傾向をきたすとされています。

著者らは、血友病キャリヤーでは臨床的に意義のある出血が増えるという仮説を検証しました。

血友病Aキャリヤーと通常の女性と比較する横断的研究が行われました。


アンケート調査は、general bleeding questionnaire、condensed MCMDM-1VWD bleeding assessment tool、Pictorial Bleeding Assessment Chart (PBAC)で行われました。

臨床検査的評価は、血算、プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、フィブリノゲン、第VIII因子活性(FVIII:C)、von Willebrand因子抗原量、リストセチンコファクター活性、血小板凝集能、血液型(ABO)で行われました。

対象は、血友病Aキャリヤー44名と健常女性43名です。


臨床検査的評価では、唯一第VIII因子活性のみが統計的に有意差を示しました(82.5対134%、P < 0.001)。

全てのアンケート調査において、血友病Aキャリヤーでは有意に出血が多いことが示されました。


以上、健常女性と比較しますと、血友病Aキャリヤーは出血性症状が多いことが示されました。

血友病Aキャリヤーにおける出血表現型を十分に理解して、適切な管理を行うためには、更なる検討が必要と考えられました。




<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:26| 出血性疾患