止血・血栓ハンドブック
論文紹介です。
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著者名: 鈴木重統、他。
出版会社名:西村書店, 2015.
<論文の要旨>
(序文より抜粋)
わが国が世界で有数の長寿国と認められてからすでに久しいが、止血と血栓に関する研究の成果もその一翼を担っていることは明らかであろう。
それとともに血液凝固、線溶、血小板を中心とする止血・血栓学がすっかり面目を改めたことも事実である。
かつて血栓症がわが国には珍しかった40年前、ドイツに留学し、かの地では術後の血栓症予防のためにヘパリンを術前・術中・術後に予防的にルチンに投与し第X因子の活性化を抑制しているという現場に驚きをうけたが、ヘパリンを投与しても予期に反して血栓症が惹起される症例があるという臨床の奥深さはもっと衝撃的であった。
疾患の発生機序の解明に次いですぐ問題となるのは治療法であるが、「血栓・止血」ないし「凝固・線溶」は、究極のところ「止血すると同時に血液の流動性を保つ」という「生体防御」の範疇に入ることは明らかである。当然のことながらこの過程において血小板の果たす役割は大である。
このような凝固・線溶・血小板の研究および臨床に携わる70名に余るエキスパートがそれぞれの立場でわかりやすく条理を尽くして執筆していただいたことは感謝にたえないが、特に畏敬するドイツのB.Potzsch教授(ボン大学免疫・輸血部門)からも玉稿をいただいたことに改めてお礼を申し上げたい。
こうした流れのなかで妊娠・分娩・産褥のいわゆる「リプロダクション」は2つの生命をあずかるという意味でカテゴリーを異にするものであろうという編者の信念から、新たに章を興した。
<リンク>
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:47| 出血性疾患