日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案(8)アルゴリズム
日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(8)アルゴリズム
日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(インデックス)
詳細はこちら:http://www.jsth.org/committee/pdf/DIC_3.pdf
<新しいDIC診断基準>アルゴリズム
新基準を紹介したいところが、このシリーズでは全体を紹介できません。
詳細は、是非とも血栓止血誌を参照していただければと思います。
http://www.jsth.org/committee/pdf/DIC_3.pdf
DIC診断基準適用のアルゴリズム
・ DIC疑い(※1):DICの基礎疾患を有する場合(表1)、説明の付かない血小板数減少・フィブリノゲン低下・FDP上昇などの検査値異常がある場合、静脈血栓塞栓症などの血栓性疾患がある場合など。
・ 造血障害(※2):骨髄抑制・骨髄不全・末梢循環における血小板破壊や凝集など、DIC以外にも血小板数低下の原因が存在すると判断される場合に(+)と判断。寛解状態の造血器腫瘍は(-)と判断。
・ 基礎病態を特定できない(または複数ある)あるいは「造血障害」「感染症」のいずれにも相当しない場合は基本型を使用する。例えば、固形癌に感染症を合併し基礎病態が特定できない場合には「基本型」を用いる。
・ 肝不全では3点減じる(表3の注を参照)。
DICを疑った時点でこのアルゴリズムに従います。
新基準は、産科、新生児には適用しないために、これをアルゴリズムの最初のステップで示されています。
造血障害、すなわち骨髄抑制・骨髄不全・末梢循環における血小板破壊や凝集など、DIC以外にも血小板数低下の原因が存在すると判断される場合には、血小板数を用いてDICの診断をすることができませんので、「造血障害型」の診断基準を使用します。
造血障害が存在しない場合には、感染症の有無を判断します。
感染症があれば、「感染症型」の診断基準を適用します。
造血障害および感染症がともになければ、「基本型」の診断基準を使用します。
基礎病態を特定できない場合は基本型を使用します。
また、固形癌に感染症を合併した場合など、DICをきたし得る基礎疾患が複数存在するような場合には「基本型」を用います。
日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(インデックス)
<リンク>
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播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:44| DIC