金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2016年02月25日

超高齢社会を見据えた未来医療予想図(9)生活者として在宅医療

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報からです。
今回は、特別講演です。

飯島勝矢先生 特別講演
(金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会:平成27年6月21日)


超高齢社会を見据えた未来医療予想図(9)

〜フレイル予防からケアまでを俯瞰した地域包括ケアシステム構築〜」

<医療機能の分化と連携>
千葉県柏市では市の医師会が主導で、しかも在宅担当理事に40歳代前半を起用して、若手がやっていけと医師会長が命令して、大分気運が盛り上がっています。

10病院会議があって急性期の患者さんをどうするかという話し合いもされますが、在宅療養をどのようにバックアップするのかも毎回話題になります。

そこでこの医療政策が取り直されて、医療機能の分化と連携が行われています。

ドクターと訪問看護でもギャップがある、価値観の違いがある、両方に聞けば相手側のバッシングをする。。。と言っても医療のメンバーは医療のメンバーと交流して、介護のメンバーとはもっと遠かったのですが、その連携というのは確かにこの4〜5年着々と増えています。

いろんな顔の見える関係、ちょっとお酒も入るかもしれませんが、ミニグループワークというものも仕込まれています。


柏市でも大分変わったと思います。

ただし、医療機能分化、大学病院たる使命、何とか医療センターの使命、かかりつけ医の使命、といっても東大病院も頭を悩ましています。

おそらく近隣の開業医の先生には、東大病院のブーイングもあるかもしれません。

なかなか難しいです。


<生活者としての在宅医療>

在宅医療をされている方々は、癌のターミナル、認知症のシビアな状態、老衰一歩手前の非がん患者など、諸々の状況です。

複数のヘビーな状態をもっているから在宅になって通院できないわけですが、一応「生活者」である事を改めて強調します。


当然入院医療で手術しようね、冠動脈開こうね、などと確かに病院の力を借りる訳ですけども、ある先生が患者学という言葉を使っているように、病院にいる間は患者っぽくなければいけません。

当然缶ビール1口すら許されません。

当然たばこは体に良くないですが、すき焼きのお肉1切れも許されません。


しかし、在宅医療では、そこら辺のハンドルの遊びっていうのも十分感じて「生活者」で居続けることができます。

在宅でおれる間はなるべく居続けさせてあげることを、医療介護関係者が皆でどのようにもう一歩考えるか。

だから治し支える医療という言葉になっています。


(続く)

★ 本稿は、東京大学 高齢社会総合研究機構 飯島勝矢先生のご講演をを拝聴した事務局が原稿化したものです。もし内容に不正確な部分があった場合には当事務局の責任ですので、ご容赦お願いします。


<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:38| その他