超高齢社会を見据えた未来医療予想図(10)役割分担
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報からです。
今回は、特別講演です。
飯島勝矢先生 特別講演
(金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会:平成27年6月21日)
超高齢社会を見据えた未来医療予想図(10)
〜フレイル予防からケアまでを俯瞰した地域包括ケアシステム構築〜」
<役割分担>
生活臨床、我々の今日、明日、明後日やる臨床活動がもうちょっと生活に近くあるべきといっても、急性期病院の先生方全員が在宅医療やりましょうなんて事は全く思っていません。
「役割分担」です。
どういう風にうまくお互いの立ち位置、存在価値を尊重してキャッチボールをやるのかが確かに首を捻らす場面です。
お互いがパートナーとしてって事かと思います。
もう一つ、外来ファンクション、病院ファンクション、在宅医療ファンクションと諸々あります。
今日在宅医療だけを美化するつもりはありませんが、大きなカードの一つとして在宅医療の位置づけを改めたいです。
実は僕自身は大学で週一回、都内の在宅医療に携えられていて、ミニ自動車も使っています。
16kmとか半径でいうとどこまで行って良いかってことでやると、都内ではコンパスを引くと次の2つ3つの区まで行ってしまいます。
ですから新宿の人が文京区へ、文京区の先生が渋谷区まで行く現象が起きます。
地域完結型は、都内ではなかなか出来ませんが、週一回だけでもネチネチやっていきますと、余命幾ばくかと言われて病院医療から在宅に導入された方でも、確かに笑顔は増えて、食事がちょっと食べられるようになった方がいらっしゃって、全員が全員じゃないですけど、思えば早一年だよね、という方もいます。
一方で、予定通り亡くなる方もいます。
やればやるほど在宅医療のポテンシャルがあって、やっていくと独特の味があってパワーがあります。
(続く)
★ 本稿は、東京大学 高齢社会総合研究機構 飯島勝矢先生のご講演をを拝聴した事務局が原稿化したものです。もし内容に不正確な部分があった場合には当事務局の責任ですので、ご容赦お願いします。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:04| その他