金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2016年02月27日

超高齢社会を見据えた未来医療予想図(11)在宅医療とソロバン

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報からです。
今回は、特別講演です。

飯島勝矢先生 特別講演
(金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会:平成27年6月21日)


超高齢社会を見据えた未来医療予想図(11)

〜フレイル予防からケアまでを俯瞰した地域包括ケアシステム構築〜」

<在宅医療とソロバン>

在宅療養、在宅医療といった国の方針へ向かせる話になると、急性期病院のベッドがパンクするのでそれを守る為ではないかとか、当然そこにソロバンを弾いてになってきます。

結果的に在宅療養を今まで以上に少し意識して、うまく予算配分をとって、結果的に病院のベッドが守られたり経済的な所がうまく行けば良い訳です。


しかし、在宅療養といっても、1/3位のお値段になるかと言えばそういう訳ではありません。

言葉が出過ぎたら申し訳ありませんが、あのフィールドでまじめにやられている方も多い中で、ちょっと営利的に走っていることもあります。

それこそサービス付き高齢者向け住宅、通称サコージュと言われている所もここ数年間全国で連立して、サービス付きといっても単なる見守りだけだったり、それで沢山作ったけれど空きや、空室が半分くらいあったりとかいうのがあります。


あと都内とか大阪で若手の先生が開業する時に、個人の開業じゃなくて、在宅での開業でうまく行っている先生もいらっしゃる一方で、企業にのっかってほろ苦い経験をされている先生も都内に実際いらっしゃいます。

比較的ドラスティックに保険診療の金額が上下していますので、企業が思いきり撤退して夜ハシゴ外された先生もいらっしゃる話も聞きます。


<在宅医療もチーム医療>

マインドとしては真ん中の「住まい」に患者さんがおられて、全職種がチームプレーでアプローチします。

前からもケアマネージャーやソーシャルワーカーなどの色んな専門職が個々に頑張っているのは間違いないですが、これからは太いパイプで輪になったチーム医療が求められています。

この輪の中での在宅療養を継続する中で、その担当の先生は何をするべきなのか、やはりこれは節目の判断と最後の責任を取ることです。


実はよく行ってる地方で、大先輩がおられて、「飯島君久しぶりだね、酒飲もうか。

いや、こないだ大変だったんだ。同じ患者さんで一晩に4回行ったんだよね」と言われました。

これはずっと昔ならば、先生この年齢で大変ですねという話ですが、今聞くと訪問看護の方がちゃんとやっているのか、チームプレーを組んでいるのかと疑問になります。


地域の事情がある事は分かっていますが、その大先輩がいる地域だって訪問看護ステーションがあるのです。

ですから、事情にあわせてチームプレーするのが大切です。


(続く)

★ 本稿は、東京大学 高齢社会総合研究機構 飯島勝矢先生のご講演をを拝聴した事務局が原稿化したものです。もし内容に不正確な部分があった場合には当事務局の責任ですので、ご容赦お願いします。


<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:58| その他