超高齢社会を見据えた未来医療予想図(19)食力(しょくりき)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報からです。
今回は、特別講演です。
飯島勝矢先生 特別講演
(金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会:平成27年6月21日)
超高齢社会を見据えた未来医療予想図(19)
〜フレイル予防からケアまでを俯瞰した地域包括ケアシステム構築〜」
<食力(しょくりき)>
食べる力は、食力(しょくりき)でもいいです。
僕自身この柏スタディーを始めるまでに、頭の中で整理しました。
食べる力といえば、まず、いの一番に口腔機能、歯の数、咀嚼力、嚥下力、などは必須です。
もう一つ、老年医学では非常に重要なポリファーマシー(多剤処方)です。
大学病院ではよくポリファーマシー専門家からバッシングされます。
3つ4つの診療科から処方されて、すぐ10何種類の薬になると言う事をよく言われます。
しかし、薬の副作用で悩むという以前に、食力が減退に傾く問題があります。
もう一つは、社会性・心理(こころ)・認知です。
すなわち、おばあちゃまが気持ち良くスーパーに行けたのかとか、気持ち良く台所で大根をトントン刻めたのか、気持ち良くお膳を載せられたのか、気持ち良くお友達とお昼を食べられたのか。
これらはMDには無理な話で、これはコミュニティーの行政を中心とした、どういう風にデザインして行くかって話で、そこら辺が大きく問われます。も
しかしたら要素としては一番大きいかもしれません。
<Tシャツ軍団>
そこで数千人規模の大規模スタディーを行っています。
市民目線の簡単な評価方法を見つける為に、そのためには学術的な科学的データを取るけれども、一番の目的は市民目線の評価方法を見つける事です。
スタッフにTシャツ軍団がいます。
スタッフの半分はTシャツ、シニアメンバーです。
この方々は、市民在住のシニアです。
なぜ彼らを使ったかと言いますと、結果、エビデンスが見えてきた時に市民サポーターとして伝道師になっていただくように教育してきました。
今どんどん第2期生、3期生が誕生して、市内を闊歩しています。
地域サロンといった20〜30人の集いがもたれています。
(続く)
★ 本稿は、東京大学 高齢社会総合研究機構 飯島勝矢先生のご講演をを拝聴した事務局が原稿化したものです。もし内容に不正確な部分があった場合には当事務局の責任ですので、ご容赦お願いします。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:17| その他