金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2016年07月14日

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)・溶血性尿毒症症候群(HUS)

平成28年度血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成28年7月13日(水)


問26.    血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)および溶血性尿毒症症候群(HUS)の両者に共通した所見の記載として誤っているのはどれか。1つ選べ。


a.    血清LDHの著増
b.    赤血球破砕像の出現
c.    血清間接ビリルビンの上昇
d.    血清ハプトグロビンの低下
e.    VWF切断酵素に対する自己抗体の出現



(解説)


a.  TTPもHUSも、溶血を反映して、LDHは上昇する。

b.  TTPもHUSも、溶血を反映して、赤血球破砕像が出現する。

c.  TTPもHUSも、溶血を反映して、血清間接ビリルビンは上昇する。なお、直接ビリルビンは上昇しない。

d.  TTPもHUSも、溶血を反映して、血清ハプトグロビンは低下する。

e.  TTPでは、VWF切断酵素(ADAMTS13と同義)に対する自己抗体が出現して、ADAMTS13活性が低下する。HISでは、ADAMTS13に対する自己抗体は出現品しない。



(正答)
e

 <リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:05| 医師国家試験・専門医試験対策