金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2017年01月04日

伝統と文化のまちづくり(7)現代の創造 1

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会:平成28年7月17日(日)東急ホテル

伝統と文化のまちづくり: 山出保前金沢市長(インデックス)

特別講演                     
「伝統と文化のまちづくり」(7) 現代の創造

石川県中小企業団体中央会会長、前金沢市長      
山出 保


<金沢21世紀美術館—2004年オープン>


私は、金沢という町は昔も今もある町でなければいけないというふうに申し上げました。これが今であります。

私は美術を知っていて、こういうことをしたのではありません。
知らないから出来たのだと思います。
これをやっている最中は、もう私、四面楚歌でした。
金沢という町に「あんな現代アートの美術館なんて似合わない」。
タクシーに乗って運転手さんに聞くと、「評判悪いよ」とみんな言いました。
県の美術館と市の美術館は至近距離にあって、歩いて10分です。
そんな所で県と市が同じ美術館をつくったら、私はこれこそ「税金の無駄遣いだ」と思いました。

県庁所在地は、県と市が一つずつ美術館を持っているものです。

ですから、金沢市が美術館をつくることについては、私は全く異論を持ちません。
ただ、県と違うものをつくらなかったら意味がないと言うことです。
それでこういうものをやったのです。

これどちらかと言えば前衛の美術館かも知れません。
美術や建築の世界ではむしろ異端でしょう。
たいがいの美術館というのは高台にあるか、高い基礎の上に大理石なんかでつくって、パルテノンの神殿みたいな美術館というのは一般的です。

そして、美術を鑑賞する人の態度はどうかと言ったら、息を殺して観てます。
ヨーロッパやアメリカへ行ったら学校の先生が子供さんを連れてきて、そして、彫刻の前に座らせて、写生をさせている。
生徒は行儀が悪いから館内を走り回る。
騒々しい。
それがヨーロッパ、アメリカの美術館風景だと言うふうにみてきました。

そういう意味で金沢の美術館はいささか変わった美術館であっていい、というのが私の考え方です。
こんな現代美術を分からないのがややもすればお年寄りで、分かるのはお子さんで、そのお子さんがこれからの金沢の文化芸術を支え、町をつくっていくのである、私は決して間違ったことではなかったと思っています。

おかげさまで、人がたくさん来て下ったので、なんとか今日まで来ました。(笑)

伝統と文化のまちづくり: 山出保前金沢市長(インデックス)

<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:33| その他