金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2017年01月08日

伝統と文化のまちづくり(11) 現代の創造 5

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会:平成28年7月17日(日)東急ホテル

伝統と文化のまちづくり: 山出保前金沢市長(インデックス)

特別講演                     
「伝統と文化のまちづくり」(11) 現代の創造

石川県中小企業団体中央会会長、前金沢市長      
山出 保


<鈴木大拙館− 2011年完成>

MROの近くにこういう施設をつくりました。
ここへ先生方、時間がある時に行っていただきたいと思います。

これは鈴木大拙という先生のメモリアルであります。

私はかねてからこういうことを思っていました。
それは、金沢市という町を世界に発信した人はどなたかなと。
私は二人いらっしゃると思っているんです。

文系では鈴木大拙だなと思います。
鈴木大拙は金沢を世界に発信した先生と、間違いなくそう思っています。
理系では誰かと言ったら、高峰譲吉だろうなと思っています。
世界に金沢という町を広めた方はこのお二人です。
高峰譲吉は、タカジアスターゼ、アドレナリンを発見した人でございますし、日本とアメリカの交流につくした人であり、片や鈴木大拙は禅の思想を西洋に広めた人です。
東洋の思想すなわち、禅の思想を西洋に知らしめたのは、鈴木大拙だと思っています。

東洋と西洋とどう考え方が違うかというと、簡単に分かり易く言ったら、私は、公園を例にしたらいいと思っています。

西洋の公園は「パーク」で左と右を対称にデザインします。
左側に彫刻をおいたらそれと同じ物を右側に置く。
幾何学的に理論的に処理をするというのが、西洋の考え方だと思っています。

ところが、日本のお庭は「ガーデン」でして、園路は曲がっているし、こちらに灯籠を置いたら石像はあちらに、ここに木を植えたらあちらに草花を植えるというような、対称の所に同じものを植えるとは決まっていません。
ですから、全く自由に、自在に、ありのままです。

西洋は左と右をきちっと「分ける」、東洋は「分けない」考え方であります。

大拙のおっしゃるには西洋の考え方は左右、上下、東と西、もっと突っ込んで言うと、キリストかイスラムか。
最初から区分けすると、これが西洋の考え方で、だから科学はそこから発展していくわけです。

日本の、東洋の、禅の、考え方はこんなルールはなく自然です。
ありのままです。
自在です。
そこが全くちがう。

鈴木大拙は「円融自在」といいました。
何もルールを決めません。
そしてその中から妙(たえ)なるものを見い出すということでして、こういう考え方であったら世界に平和はもたらせるはずだと私は思っています。

最初からキリストかイスラムかと分けることはしない、これが東洋の考え方だということです。
最近この施設にヨーロッパからの訪問者が大変増えてきています。

もしも先生方、まだ見ていない方がおられるとしたら、一度足を運んで下さると有難いと思います。

伝統と文化のまちづくり: 山出保前金沢市長(インデックス)

<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:05| その他