金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2017年03月11日

血小板の機能と止血や凝固・線溶の機序を説明できる

CBT(コアカリキュラム)の復元問題と解説です。

出血時間が延長し,活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)軽度延長を示す疾患はどれか.


a 血小板無力症
b von Willebrand病
c 血友病A
d 血友病B
e ビタミンK欠乏症


(ポイント)
出血時間は、
1)血小板数の低下、
2)血小板機能の低下、
3)血管壁の脆弱性のいずれかで延長します。
特に、血小板機能の低下で出血時間が延長する意義が大きいです。

APTTは、内因系凝固活性化機序を反映した検査です。
血液凝固第XII、XI、IX、VIII、X、V、II(プロトロンビン)、I因子(フィブリノゲン)活性の低下で延長します。

(選択肢解説)
a 血小板無力症は、GPIIb/IIIaが欠損することで血小板機能(血小板凝集能)が低下する先天性の出血性疾患です。Glanzmann病とも言います。出血時間は延長しますが、APTTは正常です。

b von Willebrand病(VWD)は、von Willebrand因子(VWF)が先天性に低下する先天性の出血性疾患です。
VWFがないために血小板機能(血小板粘着能)が低下し、出血時間が延長します。
さらに、VWFは第VIII因子のキャリアー蛋白でもあるため、VWDでは第VIII因子活性も低下して、APTTが延長します。
出血時間(血小板関連検査)もAPTT(凝固検査)も延長する疾患は、先天性疾患ではVWDのみであり、後天性疾患では肝硬変などがあリマス(ただし肝硬変では、APTTよりもPTの方が延長しやすいです)。

c 血友病Aは、第VIII因子が欠損する先天性出血性疾患です。APTTが延長しますが、出血時間は正常です。関節内出血、筋肉内出血といった深部出血がみられやすいです。

d 血友病Bは、第IX因子が欠損する先天性出血性疾患です。APTTが延長しますが、出血時間は正常です。臨床症状は、血友病Aと同じです。

e ビタミンK欠乏症は、ビタミンK依存性凝固因子である血液凝固第VII、IX、X、II因子(半減期の短い順番)が低下する後天性出血性疾患です。
重症例ではAPTTが延長しますが、出血時間は正常です。
なお、ビタミンK欠乏症ではAPTTよりもPTの方が延長しやすいです。


(正解)b

(鑑別)

鑑別



<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:17| 医師国家試験・専門医試験対策