2009年3月6日
血管内皮:血液凝固検査入門(4)
血液は凝固するという性格と、凝固しないという二重の性格を合わせもっています。
さて、血液はなぜ凝固しないのでしょうか。一言で言いますと、血管内皮の果たす役割が大変大きいと考えられます。血管内皮には、血栓症の観点からは、善玉成分と言って良い数多くの素晴らしい物質が存在します。
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血管内皮の抗血栓作用
1. トロンボモジュリン(thrombomodulin:TM):トロンビン-TM複合体 → プロテインC(Protein C:PC)を活性化
2. ヘパリン様物質(ヘパラン硫酸):アンチトロンビン(antithrombin:AT)や組織因子経路インヒビター(tissue factor pathway inhibitor:TFPI)が結合
3. 組織プラスミノゲンアクチベータ(tissue plasminogen activator:t-PA):プラスミノゲンをプラスミンに転換します。
4. PGI2(プロスタサイクリン):血小板機能抑制作用、血管拡張作用
5. 一酸化窒素(nitric oxide:NO):血小板機能抑制作用、血管拡張作用
上記物質それぞれの詳細につきましては、次回以降の記事で順次紹介させていただきたいと思います。
なお、上図中の青字はお薬として既に存在しています。
血管内皮には、お薬に転換できるような宝物が多数存在すると言えます。おそらく、まだまだお宝が眠っているのではないでしょうか。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:28 | 凝固検査 | コメント(0) | トラックバック(0)