2009年3月10日
線溶とt-PA&プラスミノゲン:血液凝固検査入門(10)
血管内皮の抗血栓性物質と線溶:血液凝固検査入門(9)から続く。
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血栓を溶解しようとする作用を線溶(fibrinolysis)と言います。
具体的には、血管内皮から組織プラスミノゲンアクチベータ(tissue plasminogen activator:t-PA)が産生されますと、肝臓で産生されて血中に放出されたプラスミノゲン(plasminogen:Plg)をプラスミンに転換します。
プラスミンは、血栓(フィブリン)を分解して、FDP(Dダイマー)にします。ですから、FDP(Dダイマー)の血中濃度が高いというのは、血栓ができてそして溶解したということを意味しています。
たとえば、播種性血管内凝固症候群(DIC)や深部静脈血栓症(DVT)では、血栓が形成されてその一部が溶解していますので、FDP(Dダイマー)は上昇します。
なお、t-PAやプラスミノゲンは血栓(フィブリン)親和性が高いために、血栓の存在する部位で効率よく線溶が進行することになります。
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:07 | 凝固検査 | コメント(0) | トラックバック(0)