血液内科学系統講義試験:貧血/
平成26年度血液内科学系統講義試験:細胞移植学(血液内科)
平成26年7月22日 (火)試験時間 16時30分〜17時30分(60分間)
問3.24歳の男性。試験勉強のため寝不足が続いていた。数日前から空腹時に心窩部痛が出現し、昨日階段をのぼった時に今までにはない息切れを感じた。心配になり近くのクリニックを受診した。血液検査では白血球数4200、 赤血球数280万、ヘモグロビン8.6 g/dl、ヘマトクリット27%、血小板数22万、血清鉄 60μg/dl、TIBC 270μg/dl、LDH 160 IU/l (基準値120-214)、血清総蛋白5.8g/dl、総ビリルビン 1.0 mg/dlであった。
1)MCV(四捨五入)値を冪数(10X)表示の単位をつけて記載せよ。
(正答)96.4 x 10-15L
2)疑われる疾患は何か。
(正答)出血による貧血、消化管出血(胃潰瘍、十二指腸潰瘍も可)、など。
問4.鉄欠乏性貧血の診療に関する記載のうち誤りはどれか。3つ選び、選択肢を記載しなさい。
(1) 異食症や嚥下困難がしばしばみられる。
(2) 鉄剤による治療期間は通常2-4か月である。
(3) 血小板がしばしば増加する。
(4) 血漿鉄消失率が延長している。
(5) まずヘリコバクター・ピロリ除菌を試みる。
a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)
(正答)c
問5.造血について正しいのはどれか。3つ選び、選択肢を記載しなさい。
(1) 胎児では造血幹細胞の大部分が肝臓に存在する。
(2) 静止期の造血幹細胞は骨髄のニッチに存在する。
(3) 造血前駆細胞には自己複製能はない。
(4) 骨髄中の造血幹細胞は化学療法後の造血回復期に末梢血中に放出される。
(5) 造血幹細胞移植後1週間目にはドナー由来の好中球が末梢血中に出現する。
a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)
(正答)d
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:56 | 医師国家試験・専門医試験対策