金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2008年10月06日

【金沢大学血液内科進級試験過去問題(DIC)】兼:医師国家試験・専門医試験対策

 

金沢大学血液内科進級試験過去問題(2005年)





(設 問)(一部改変)
播種性血管内凝固症候群(DIC)の検査所見に関する記載として正しいものはどれか。
a.    PT、APTT、フィブリノゲンともに正常であれば、DICを否定できる。
b.    線溶抑制型DICでは、血中プラスミノゲンアクチベーターインヒビター           (PAI)活性が正常である。
c.    線溶亢進型DICでは、血中トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)が著増する。
d.    線溶抑制型DICでは、血中プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)が著増する。
e.    線溶亢進型DICでは臓器症状がみられやすい。


(ポイント)
a. PT、APTT、フィブリノゲンともに正常であってもDICのことはありうる。この場合、FDP&Dダイマー、TATは必ず上昇している。
b. 線溶抑制型DIC(代表的基礎疾患は、敗血症)では、線溶阻止因子PAIは著増する。
c. 線溶亢進型DICであっても、線溶抑制型DICであっても、DICであれば必ず著しい凝固活性化があるため、TATは著増する。
d. 線溶抑制型DICでは、PAIが著増して線溶が抑制されているため、PICの上昇は軽度にとどまる。
e. 線溶亢進型DICでは、多発した微小血栓は溶解しやすいため、微小循環障害をきたしにくい。出血症状は高度であるが、臓器症状はみられにくい。


(内科専門医試験対策)

FDP、Dダイマー、TAT、PICの意義は熟知している必要がある。

DIC診断上、PT、APTT、フィブリノゲンの重要性はやや落ちる。

TAT:凝固活性化マーカー。DICでは必ず上昇する。

PIC:線溶活性化マーカー。 線溶亢進型DICでは著増、線溶抑制型DICでは軽度上昇。

FDP&Dダイマー:血栓が分解して生じる分解産物。DICでは必ず上昇。

播種性血管内凝固症候群(DIC)の病態、診断、治療(研修医/学生対応)

 

(血液専門医試験対策)
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(答)C

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 19:38| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0) | トラックバック(0)

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