2008年10月29日
播種性血管内凝固症候群(DIC):病態、TAT、PIC(図解3)
播種性血管内凝固症候群(DIC)の最も本質部分は、基礎疾患の存在下における全身性持続性の著しい凝固活性化状態です。
さらりと書かせていただきましたが、局所性ではなく全身性の凝固活性化ですし、一過性ではなく持続性の凝固活性化です。
凝固活性化のマーカーとしては現在トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)が頻用されています。ですから、DICの本態である凝固活性化をみることのできるTATは極めて意義深いマーカーということができます。換言しますと、もしTATが全く正常であれば凝固活性化がないということになりますので、この一点のみでDICを否定することができます。
また、程度は種々ですが、凝固活性化と同時進行的に必ず線溶活性化がみられます。この線溶活性化の程度はプラスミン-α2PI複合体(PIC)で評価可能です。線溶活性化はDICのタイプを分類する重要な要素の一つですので、PICを測定すればDICの病型を分類することができます。
このように、DICの本態である凝固活性化を評価するTAT、同時進行的に見られる線溶活性化を評価するPICは、とても重要なマーカーです。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:37| 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0) | トラックバック(0)